« BURAYA! BURAYA! BURAYA! oi! oi! oi!! | トップページ | 懺悔 »

福知山線事故1ヶ月

検証: 再発防止 識者に聞く:再発防止 どう努力(読売 2005 05 25)

メディアスクラム、という問題も起こした、福知山線事故から1ヶ月。ようやくマスコミも落ち着いたか、事故を踏まえた、 再発防止策も出るように。

ところで、どうしても引っかかるのが・・古いネタになるが、産経抄 平成17(2005)年4月27日

ラッシュ時は少し過ぎていたとはいえ、都心へ向かう電車の先頭車はいつになく空いていた。 楽に新聞も広げられたが、どうも落ち着かない。ふと運転室をみると、三人の乗務員がじっと前方をにらんでいる。あの事故後の変化である。

 ▼「また今夜ね」と別れた人がもう戻ってこない。世は無常とはいえ、 これほどの不条理があるだろうか。怒りと悲しみにくれるご遺族にはかける言葉もみつからない。

 ▼惨事が起きたJR西日本・福知山線は、昭和の後期になっても「オハ35」 など戦前生まれの旧型客車が現役で走り、大阪から宝塚まで一時間近くもかかった。当時は並行して走る阪急電鉄全盛で、 利用者も少なかったが、JRになってサービスが格段に向上した。スピードは上がり、運賃も安く、駅員の愛想も良くなった。 乗客も増えたのだが…。

 ▼JRになって、電車の設計思想が変わっていたのだ。旧国鉄の電車は、三十年は使えるよう堅牢 (けんろう)に製造されていた。そのぶん速力が出ず、電力も食った。JRはスピードアップとコスト削減のため通勤電車を「重量半分、 寿命半分、コスト半分」に変えたという。

 ▼JR各社は鋼鉄車より強度が劣る軽量ステンレス車を次々と投入、マンションに激突し、 原形をとどめないほど大破した207系電車もその仲間である。小泉首相が唱える「官から民へ」の模範例がJRだった。

 ▼事故から一夜明けても、犠牲者の数は増え続けた。 民営化したからといって効率ばかりを優先し、安全性をおろそかにしていいわけはない。「駅ナカ」 に商店街をつくって利益をあげることにうつつをぬかさず、「安全に運ぶ」という最大のサービスを第一にしなければ、 失われた利用者の信頼は回復できないだろう。

オハ35は戦中戦後にも作られてるとか、運賃は今なお阪急より高いとか(値上げは消費税関係の2回はあるが)・・ は、重箱の隅だから、これはおいておく。

旧国鉄の電車は、三十年は使えるよう堅牢(けんろう)に製造されていた。そのぶん速力が出ず、電力も食った。 JRはスピードアップとコスト削減のため通勤電車を「重量半分、寿命半分、コスト半分」に変えたという。

 旧国鉄の電車は「シミュレーションも出来ないので、必要以上に堅牢に出来てしまった」もしくは 「鉄さびの進行を見込んで、新製時にサビしろ見込んで厚めに作った」という所があるのは事実。それでも157系のように、 サビの進行に負けて早々に引退に追い込まれた車も、存在する。

また、「重量半分、寿命半分、コスト半分」は、JR東日本209系 (1991年先行試作・1993年本格デビュー)のコンセプトで、時期こそ同じでも会社の違う207系に、 それは適用されません。(この207系にいたってや、 国鉄時代の生まれ・・って鉄の基本的ボケ。)

オマケに、その言葉の意味することは、見事に誤解。元はと言えば、209系作るに当たって、 技術者に与えられたコンセプトで、「これを目標に、徹底的に見直せ」という、いわば設計目標。加えて。

  • 重量半分=10両編成比較103系363トンが、241トンで、34%軽くなった。軽くなった内訳は、
    • 車体をステンレスにした    =-30トン
    • 台車を改良した(ボルスタレス)=-35トン
    • モーターを小型化させた上、減らした(含む周辺機器)=-25トン
    • 冷房装置の見直し・改良=-4トン
      • (この項 鉄道ピクトリアル 732号)
  • 寿命半分=ステンレス車は錆びないし、オマケに鋼鉄以上に堅く、剛性は鋼鉄の車体以上。(強度が劣るなどと言うことは、無い。また、 曽根先生の意見では、 「 今回の場合、どんなに堅固でも、 乗客の受けた衝撃はさほど変わらなかっただろう。」 )消耗品は、たったの3点しか現在存在してませんが・・。
    • パンタグラフすり板
    • タイヤ
    • ブレーキパット
      • (この項 「電車を創る(交友社/土岐寛光)」)
    • もっと言えば、寿命半分とは、法定点検年数13年をメンテフリーで乗り切ってしまおうという発想。(それを乗り切れば、 原価消却済となり、その先は修繕か改造かを選択する余地が出来る。)
    • あるいは、部品やテクノロジーの進化で、 さっさと新しいものに乗り換えられる=図面の寿命がとても短いという意味にも取れるか。(方向幕LED化、 ヘッドライトのHID化、パンタグラフのシングルアーム)
  • 価格半分=材料費をけちったと言うよりも、汎用品の多用・走り装置に拘わらない部品(例:雨樋)は共通にしないで、 業者に任せる・モーター減少などによるパーツ減少。

民営化したからといって効率ばかりを優先し、安全性をおろそかにしていいわけはない。

 ミーさー さまが、へなchoこ にて指摘されているとおり。 民営化=効率優先=安全性の崩壊、という図式は、詭弁。この式で、効率の優先=安全性の崩壊、にはナリ得ないでしょ? 非効率が安全性の阻害ということは、工場で結構あるようには思うけど。

「駅ナカ」に商店街をつくって利益をあげることにうつつをぬかさず、「安全に運ぶ」 という最大のサービスを第一にしなければ、失われた利用者の信頼は回復できないだろう。

後半は同意だが、前半はめちゃくちゃ。「駅ナカビジネス」は、JR東日本で、西日本の事故にこれを当てはめるのは、 先刻の209系のコンセプトを当てはめるのと同様に、詭弁。もっと言えば、JRほど、 鉄道事業の売り上げが関連事業を凌駕してるところもそうそう無いわけで。(ニュータウン作って不動産業、等という例は枚挙に暇無く・・ 一番凄まじい事例は、ここ、紀州鉄道。 元々はリゾート開発やる不動産屋さんが、「鉄道」とつけば銀行や社会の信用を得やすいという凄い理由で、 瀕死のローカル鉄道ゲットしたというもの。)

確かに、儲けを安全対策に使った額が少なすぎというのは批判対象だけど、まっとうに稼いで利益を上げることは、正当な行為ではあるが? 旧国鉄なんぞ、稼げないことから研究費事欠いたとか、鉄的趣味では、貴重なブツも博物館送りにも出来ず、重機のエサにしたことも。

(参考:Norimono Land

|

« BURAYA! BURAYA! BURAYA! oi! oi! oi!! | トップページ | 懺悔 »

コメント

トラックバックありがとうございます。
う~ん、今読んでも・・・
ひどいですね、産経抄のこの記事。

読売新聞の記事を知る事が出来、よかったです。
ありがとうございました。

投稿: ミーさー | 2005.05.28 06:36

ミーさーさま、初めまして。

関係ないとまではいわないけれど、これじゃ、「坊主にくけりゃ」な発言ですよ・・。
(日刊ゲンダイにおける、田中知事の発言と同レベルかも・・。)
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/tanakayasuo-JRwest1.html

「マスコミ批評」のカテ使う以上、「是々非々でいく」つもりだったけど、「アカピだし」とか「テロ朝だろ」とか、とにかくソース元をたたくことを目的にしてるエントリが多いみたいで、このエントリではもうやらないかも。

追記:やはり、産経新聞社もあの文章はまずいと思ったらしく、「尼崎事故」のニュースまとめに入ってません。
http://ez.st37.arena.ne.jp/special/special0033.html
(件の産経抄の前&翌日は載ってますが・・。)

投稿: たけやす | 2005.05.30 18:56

興味深く拝見させていただきました。

「利益優先」は確かに糾弾されてしかるべきですが「利益追求」は応援してあげなければいけませんよね。マスコミこそ「安全」と「利益」をごっちゃにして考えすぎている。

大体、もしJR西日本がこのまま大幅の赤字を計上し続けていたら、きっと大谷昭宏あたりは「無能な経営陣」と言い放ったに違いないし、その時々の情勢を見て適当にコメントするコメンテーターにはほとほとうんざりする気持ちでいっぱいです。

大宮駅のエキナカの「ecute」、あれがどんなに便利かw
よくお惣菜を買って帰るヘビーユーザーとしても反論しておきたいところです。

関係ないけど、大宮工場の「JRおおみや鉄道ふれあいフェア」、毎年行きたいと思ってるんですが今年も行けなかった・・・。

もうひとつ、ぜひG裏で頑張りましょう!!

投稿: FlyingGraf | 2005.05.31 09:28

FlyingGrafさま
> 「利益優先」は確かに糾弾されてしかるべきですが「利益追求」は応援してあげなければいけませんよね。
 しなの鉄道の杉崎前社長(現:埼玉高速鉄道社長)は、自販機のマージン契約を見直して3000万円/年のアガリを得たり、駐車場のマージン見直しをしたりしていますが・・これも、長野県の財産で金儲け、と言うのでしょうか?田中知事。
(結構執念深いな、オレ。その前は、累積赤字25億の倒産確定状態でしたが。)

> 大体、もしJR西日本がこのまま大幅の赤字を計上し続けていたら、きっと大谷昭宏あたりは「無能な経営陣」と言い放ったに違いないし、その時々の情勢を見て適当にコメントするコメンテーターにはほとほとうんざりする気持ちでいっぱいです。

 しなの鉄道の社長のなり手が居ない、異常事態に陥ったときのコメントも「経営陣の無能」「3セクならではの甘さ」を追求するものは結構ありました・・。
(大谷・・個人的に、「フィギュア萌え族」の一件で敵視してる。)

> 大宮駅のエキナカの「ecute」、あれがどんなに便利かw
> よくお惣菜を買って帰るヘビーユーザーとしても反論しておきたいところです。

 同意。私も、大宮「ecute」ユーザーだけに。

> 関係ないけど、大宮工場の「JRおおみや鉄道ふれあいフェア」、毎年行きたいと思ってるんですが今年も行けなかった・・・。

 今年は行き損ねました・・何でもコバトンがやって来て、カボチャ電車の乗りおさめをやっていたとか。
 2007年度には、鉄道博物館もやって来るそうですし・・。

投稿: たけやす | 2005.05.31 20:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9446/4305637

この記事へのトラックバック一覧です: 福知山線事故1ヶ月:

» 福知山線事故についての産経抄その後 [へなChoこ]
たけやす駅長さんから以前書いた産経抄についての記事にトラックバックをいただきました。 たけやすさんのBlogには福知山線の事故に関連するサイトへの有益なリンクが張られているのでここに紹介しておきます。...... [続きを読む]

受信: 2005.05.29 11:28

» 福知山線事故(8)…暴言問題/山陰中央日報のコラム [D.D.のたわごと]
福知山線の脱線衝突事故について,当ブログでも書き始めたところ 最初の1回を除いてはマスコミ批判のシリーズになってしまいました。 (6)の後,「マスコミや自分を含めた皆に求めたいこと」を書いて 締めにしたいと思っていたのですが,前回の(7)で弁明コラムを乗せていた 京都新聞にツッコミを入れてしまい,また今回もマスコミ側のコメントを 目にしたので紹介しておきたいと思います。 事故から1ヶ月がたった25日,出張中の松... [続きを読む]

受信: 2005.05.30 07:15

» JR福知山線車両にバカテロ。 [sima2*blog]
脱線事故のあったJR福知山線の車両に誰かがスプレーで落書きをした、というニュース... [続きを読む]

受信: 2005.08.14 17:20

« BURAYA! BURAYA! BURAYA! oi! oi! oi!! | トップページ | 懺悔 »